
米国防省でWork副長官が主導する同戦略には、「learning systems」、「human-machine collaboration and combat teaming」、「network-enabled and cyber-hardened autonomous weapons」等が含まれると副長官は以前の講演等で説明していますが、具体的な例があまり明らかになっていませんので、断片的な情報ですがご紹介しておきます
なおWright-Patterson空軍基地は、女性Pawlikowski大将が率いる米空軍Material Command司令部が所在しますが、米空軍研究所AFRLを抱えて米空軍研究開発の拠点となっている基地でもあります
4日付米国防省web記事によれば

●視察の焦点は、新たに鮮明になりつつある脅威を抑止し防ぐための「Third offset strategy」を支える技術研究であった
●Work副長官は、説明を受けた技術開発プログラムの一つであるBATMAN(Battlefield Air Targeting Man-Aided Knowledge)について語り、「human-machine協力システム」の好例として高く評価した
●BATMAN計画の中には、空軍救難救助員(pararescue jumper)が腕に装着可能な小型の患者診断装置BATDOCが含まれており、センサーと小型無線PCを組み合わせ患者の重要データを迅速同時にモニター可能になる

●他に副長官が説明を受け、副長官を興奮させた技術には、「autonomous weapons systems」「advanced aircraft anti-collision systems」「sophisticated monitoring sensors for aircrew」や「地上目標監視のnew aerial radars and sensors」がある
//////////////////////////////////////////////
サイバー戦や電子戦に代表されるように、急激な状況変化への対応が求められる分野に人工知能を活用した「learning systems」を導入して状況掌握を迅速化し、具体的な対処には「human-machine collabo」も活用して精密誘導兵器の同時攻撃にも対応、「サイバー攻撃に強いネットワーク化autonomous weapons」で反撃・・・との無理矢理単純解釈では「third offset strategy」は語れない模様です
奥深いというか、「何でもかんでも感」もありますが、引き続き小さな事からこつこつとモニターしていきたいと思います
しかしこの様な、小さな改善の積み重ね分野(誤解かも知れませんが)は、日本の予算要求システムの中では「必要性」や「時期のマスト性」の説明が困難で、こぼれ落ちていくような気がします。
戦闘機関連以外の分野では特に・・・。何とか補正予算を「積み上げる際」に、大項目に埋め込まないといけないような気がします・・・。

素晴らしい試みですね! 防衛省や自衛隊の研究開発最前線に、「総合学習」なんかの枠組みで中高生が訪れてくれればいいですね!
Third Offset Strategy関連の記事
「慶応神保氏の解説」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-26
「CNASでの講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-15
「11月のレーガン財団講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-15
「9月のRUSI講演」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-12
「Three-Play Combatを前線で」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-09
米国防省の2017年度予算案特設webページ
→http://www.defense.gov/News/Special-Reports/0217_budget