
重箱の隅をつつくような話の部分もありますが、「8月1日に100%可能とは言えない」と言及し、ALISが企業システムとの連接に重大な問題を現状について説明しています。
依然として、ソフト「3I」と自動兵站情報システムALISがネックとなっている状況に変わりないのですが、日本の国防予算を食い尽くしかねない「亡国のF-35」の話題ですのでご紹介します
10日付Defense-News記事によれば

●一方で「春か夏には状況がはっきりするが、12月31日までには確実に間に合う」と語っている。
●ALISに続く最大のリスクはソフト開発だと同中将は述べた。センサー情報融合の安定性に欠け、システムの再立ち上げが頻発する状態にあるが、問題の根本原因は明らかに出来たと計画室長は説明した
●国防省と企業は、改良されたソフト「3I」が問題を解決し、3月後半から4月上旬に試験飛行を実施したいと考えている。8月1日にIOCを望むなら、5月までにソフト問題を解決する必要がある
●Bogdan室長は、8月1日IOCの障害はソフトではなくALISだと述べ、ソフトには自信を持っている
ALISは企業との連接が大問題
(米空軍協会web記事によれば)

●「Lockheed MartinとPratt & Whitney(エンジン企業)のシステムとALISとの連接が、極めて困難な事が判明しつつある」、「これがALISの持つリスクの所在である」、「問題解決にはロッキード等のシステムに重大な変更(serious changes)が求められる」と現状を明らかにした
B-21のお陰でF-35エンジン価格も低下?

●同中将は、F-35とB-21エンジンのために開発蓄積される技術は相互に適用されるべきと述べ、F-35エンジンの中核技術がB-21のエンジンに使用されることを臭わせた。
●両機種のエンジンを担当することになったPW社は、同一工場の利点を生かし、規模の経済や管理業務経費を効率化できると考えられることから、Bogdan中将は「PW社はF-35エンジンのコストダウンを考えるべきだ」と訴えた
Work副長官がF-35は「BN-35」と呼ぶべきと

●更に副長官はF-35を表現し、「パイロットの状況判断を敵よりも優れたものとする、分散型戦場ネットワークにおけるセンサー&コンピュータノードだ」と語り、統合部隊の膨大な情報を分配する役割も強調した
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Work副長官を大好きなまんぐーす(Bogdan中将も同じくらい応援してます!)としては、「F-35をBN-35と呼ぶべき」との言葉を信じたいですし、10年後ぐらいには追加で大金をつぎ込んでそうなるのかも知れません。
そして有事や限定的紛争時に、飛び立つことも出来ず、「塩漬け資産」となるのかも知れません

敵の攻撃が迫ったら、操縦者と航空機だけが遠方に逃げ去り、竹槍程度の防空兵器で基地の防衛を担わされるであろう捨て駒扱いなのですから・・・・
しかし・・・ソフト「3I」もALISも、どんな状態で米空軍はF-35のIOCを宣言するのでしょうか? 記者団が「なんちゃってIOC」を見逃すはずはないと思うのですが・・・
エンジン価格に関するDefense-News記事
→http://www.defensenews.com/story/defense/air-space/2016/03/11/f-35-chief-expects-savings-pratts-work-b-21-engine/81637306/
空軍IOC見通し関連の発言
「ロッキード担当者の表現」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-28-1
「5月に可否が判明する」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-02-11-1
「F-35の主要な問題や課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
日本の戦闘機にまつわる悲劇と次世代思考
「悲劇:日本でF-35組立開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-17
「悲劇:F-3開発の動き」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「NG社6世代機の論点」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-01-17