
米海軍のスタンスは、公海上を航行中であり、空母艦載機の飛行も行っておらず、当該無人機が非武装であったことから監視に留めたとなっており、イランが公表の画像や映像については、12日のものか確認できないとの立場です
29日付米海軍協会web記事によれば
●イランの準国営メディアであるFars News Agencyは、「イラン海軍の偵察任務用無人機が、米空母の映像撮影に成功した」、また「一方で、イラン海軍のQadir級潜水艦も情報収集任務で米空母に接近し、米艦艇の映像撮影に成功した」と報じ
●上空から撮影した米空母Trumanらしき映像を公開するとともに、「わが潜水艦は米艦艇の乗員に気づかれることなく、鮮明な映像撮影を行った」とも報じている

●更に声明は「無人機は空母に向かって飛行してきたが、米空母は飛行運用を行っておらず、また同無人機が武装していないので、abnormalでunprofessionalな行動だが危険はないと判断した」としている
●またイラン側が公表した映像に関しては「イラン側が12日撮影とした報道内容について真偽を述べる立場にはない(同様の映像は多数あり、確認できないとの報道もあり)」とコメントしている
●最後は「米海軍は事象に応じて適切に対処する能力を有しており、必要と判断される場合には自己防御手段を講じる」と結んでいる
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米空母や仏空母が艦載機の飛行を行っていたら、危険だと判断して当該無人機を撃墜した可能性があり、引き続き「一触即発」の可能性をはらんだ周辺情勢です。
イラン無人機がどのようなタイプであったかは不明ですが、「武装していない」と判断するのは容易ではないと思います。
胴体下や翼下に爆弾をぶら下げていれば「見えなくはない」でしょうが、低速で小型の無人機の細部状況を把握するのは困難だと思います。胴体に爆弾を埋め込んでいたら・・・?
その点、米空母がわざわざヘリを発進させて確認したのは「good job」でしょうが、これだけの「手間暇」をかける必要があるのが「グレーゾーンでの対処」の難しさであり、現場が迅速に迷いなく判断し行動できる環境整備の重要性でもあります
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