
より軽易に「プロトタイプを作成して検証」することが出来ないために、技術的優位が損なわれているとも表現しています
西側の国ならどこでも、きっちりと要求性能を固め、全体計画を立て、予算要求をして承認されなければ何も出来ないため、時間もかかって時代の変化についていけず、高価で無駄な装備を生み出してしまう問題を抱えています。
もちろん、お役所仕事だけでなく、担当者が数年で交代する軍の仕組みや軍需産業を含めた色々なしがらみも負の影響を与えているのですが、調達担当次官補の立場では予算制度の問題を指摘したいのでしょう
7日付米海軍協会web記事によれば

●議員からは、開発期間とコストが上昇して調達が進まない海兵隊の着上陸用車両の問題を指摘し、「実行可能性を見極めた投資が必要だ。購入が不可能な(高価な)装備品開発にエネルギーを注ぐべきではない」等の発言があった
●Stackley次官補は、変化する脅威に迅速に対処するため、プロトタイプの作成や実証確認をより柔軟に行えるようにしてほしいと要望した
●同次官補は、現状の予算要求プロセスでは、対処の必要性を感じてから予算化するのに2年のギャップが最低生じてしまうと訴え、より柔軟な予算使用の裁量を認めるよう要望した
●「技術進歩の速度は、軍が新装備を導入するペースを上回り、現状の長期間を要する装備調達プロセスでは追いつけない」とStackley氏は訴えた

●更に海軍次官補は、プロトタイプの作成や実証確認を柔軟に容易に行うことにより、開発リスクを早期に察知し、要求性能を精査したり投資分野を精査したりすることが可能になり、技術の成熟と何をすべきかをより正確に把握できるとも主張した
●Stackley次官補は議員からの指摘に対し、着上陸車両のコスト削減に外部機関も導入して取り組んでいることや、オハイオ級戦略原潜の後継艦に関しても、先行的に調達計画を立て、例えばミサイル発射管を一括でまとめ買いする等の手法で価格低減に努めていると説明した
●また同次官補は、米海軍も米空軍の「Rapid Capability Office」ような部署を編成し、新技術の取り込みと巣備品の開発の迅速化に努めると説明した
///////////////////////////////////////////////////////

どれほどの具体的成果を生むのか、「焼け石に水」ではないのか?、国防省側の言い訳ではないのか?・・・・等々の突っ込みもありましょうが、一応ご紹介しておきます。
国防省や米空軍の取り組み
「計画初期から関係者が意思疎通」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-17
「James長官の調達改革」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-19
「Tech Outreach」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-12-28