
最近は、対イラン強硬姿勢を米議会で訴えたネタニアフ首相のイメージがイスラエルと重なっていますが、そのネタニアフでさえ昨年の国連演説で「隣国に対するフレッシュなアプローチ」を提案しています。
ISの突きつける新たな脅威を前に、このような姿勢が不可欠だろうと考えさせられます
7日付Defense-Newsによれば

●ゲームは、架空のイラン外相による「仮にISが、シーア派であるイランの都市に接近したなら、イランはISとその支配地域にあらゆる軍事手段を用いる事を躊躇しない」との声明発表から始まった
●これに対しISは、イラク内の支持者に「異教徒」を攻撃するよう呼びかけ、ヨルダンやシリア内の支持者に「路上でのデモ」等を呼びかけた。この結果、IS支持者による暴力的な活動が活発化し、世界各国が対応に乗り出す

●別の主要参加者も「イスラエルはハンマーで荒々しく事態に対処するやり方ではなく、メスで慎重に対応する方法を学ぶ必要がある」と訴えた
既にその兆しがあるのか
●テルアビブ大学の教授は「既に今までになかった、想定も出来なかった協力関係が形作られ始めている」と述べ、「IS対処の穏健スーニ派連携が形となりつつある。このような緩やかなリンクが中庸国家間で伸張につながる可能性があり、模擬ゲームでもヨルダンがその重要な役割を担う事が現れていた」と説明した

●そして「課題としては、仮にUAEやサウジと連携できたとして、ガザ地区のことを誰が見るのか、イスラエルとイランとの関係を何を視点に調整するのか、との大きな問題に直面するが・・」と語った
●また「穏やかなスーニ派連帯が可能かは不明確だが、米国によるイラクやシリアにおける過激派対策が、ますますイラン革命防衛軍を頼りにしつつあることも受け止めなければならない」と述べた
●なお、ネタニアフ首相も昨年の国連総会で「我々の隣国に対するフレッシュなアプローチで、困難な中でも平和に向け前進できる。平和に対する古い概念は改めるべきだ。近隣のアラブに対する新たな役割や責務を考慮しなければならない」と訴えていた
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この模擬ゲームにはテルアビブ大学の
・Lab for Policy and Security Simulations (SIMLAB)
・Yuval Ne'eman Workshop
・Moshe Dayan Center が参加しています
ネタニアフ首相の演説部分「It must take into account new realities and new roles and responsibilities for our Arab neighbors.」は微妙な表現で、政権が何を考えているのか良く分かりませんが、「old template for peace must be updated」はそうなのでしょう。
また、研究者がこの緊要な時期に、提示すべき視点をきちんと提示している点は素晴らしいと思います