
米海軍と空軍は、中国軍機と接近した際の基本ルールを中国側と固めることを最優先とし、その他の交流は「一時中断」状態にあるようです
なおBrooks大将は2003年のイラク戦争の際、中央軍の記者会見担当として、米陸軍最年少の准将ながら連日長時間の会見を「顔色一つ変えず」乗り切り、その能力の高さを内外に示した人物です
4日付Defense-Newsによれば

●Brooks大将は、「交流を一時中断している」との報道が正しいかどうかについてはコメントしないが、Brooks大将はその様な指示は受けておらず、あらゆる機会を捉えて可能な権限の範囲で交流を進めていると語った。一部の分野は政策的な観点で許可されていないが、と付け加えた
●同大将はまた、米中の間には見解の相違があり、相互認識の差も根強く存在することを認める一方で、必要な場合にそのためだけに交流する方式では無く、時間を掛けてより実質的な関係が必要だと考えている、とも語った
●更に司令官は「特に海軍と空軍の分野で摩擦が生じ、その解消のための合意形成が両国間で模索されている今、両国の陸軍同士が対話のチャネルを維持していることが極めて重要だと考える」と語った
●そして「今現在、中国軍と米陸軍の間には何ら衝突は無い。だからこそ、誤算や誤解を防止するため、我々が関係を構築する必要がある」と強調した
●Brooks大将は、太平洋陸軍は2013年にハワイで、2015年1月には中国の海南島で米中共同の災害対処訓練を行った事や、北京や中国国防大学を訪問したことを例として紹介した
「リバランス」についてBrooks大将は

●2014年にはインドネシアやマレーシアや日本に米陸軍部隊が展開して「Pacific Pathways」演習を行い、今年はタイや韓国やフィリピン、更に豪州やインドネシアやマレーシアにも展開して同演習が行われる模様
●ベトナムやミャンマーとの関係についての質問には、「ゆっくりと暖めている」と表現した
●また司令官は、地域の同盟国に米陸軍の前方保管装備(prepositioned stocks)を「活動用セット」としてレンタルしているとも語り、そのレンタル先の拡大も協議中だと述べ、「当該国が地域の危機に対応したり、平和維持活動に参加することが重要だ」と説明した
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「海軍と空軍の分野で摩擦が生じ、その解消のための合意形成が両国間で模索されている」・・・そうだったんですね!
日本の海上自衛隊や航空自衛隊の航空機や艦艇も、同じように「接近」していると思いますが、中国とのルール作りの話は聞きません・・・

あぁ・・そういえば、北京APECでの「日中首脳会談合意」には、「危機管理メカニズムの構築し、不測の事態の発生を回避する」との表現がありましたが、上記の米海空軍のような具体的な話があるような話は全く聞こえてきませんね・・・