
長官はこの合意を「ground-breaking agreements:画期的な合意」と表現しており、「1歩前進2歩後退」状態にあった両国軍事協力が「2歩前進」したのかもしれません
日本政府としては、「米企業の原子力発電所輸出推進」が米印合意に含まれて「がっかり」かも知れませんが、米印の国防合意は、対中国やアジア全体の安定に歓迎すべきことだと思います
ヘーゲル長官は25日付声明で

●米印両国は、米印国防関係に関する10年枠組みの見直し再編集を終了し、過去10年間の国防協力のモメンタムを更に継続発展させ続けることとなった
●新たに軍事教育に関する協力関係構築に合意したことで、我々は両国の次世代指導者育成を相互に支援することになり、これにより相互の国防機関を将来に渡ってより緊密なものにしていくことができる

●その中には、空母技術と設計に関する作業部会の設置、ジェットエンジン技術に関する協力分野の検討などが含まれ、米印軍需産業の協力についての膨大な潜在力を両国が認知し始めたところである
●更に両国は本合意で、今後15年間にわたり科学技術分野での協力を継続し、両国関係を強化することを確認した
●これらを総合し、大統領による発表は、両国間の国防安全保障協力を新たに更に深く、洗練されたものにし、米国の広範な戦略的協力関係における大きな柱の一つに成らしめることを確固とした
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日本での報道によれば、4つの先導プロジェクトには無人機の共同生産も含まれるようです。また、両首脳の間でホットラインを設置することも明らかになったようです。
「原子力発電所の輸出」に関しては日本も進出を狙っていましたが、インドでは原発事故が起きた際にメーカーの責任が問われることになっており、これが外国企業進出の障害となっていました。
今回米印首脳は、原発事故に備えた保険制度の設置で合意し、この問題をクリアした模様です。

次世代育成協力とか、作業部会の設置とか、協力可能分野を探るとか、「初期」段階のような合意ですが、「ground-breaking」なんです。たぶん・・・
オバマ大統領は当初予定していた「タージ・マハル」の訪問を中止し、アブドラ国王が死去したサウジアラビアに向けて27日に出発だそうです。でも26日、インドの共和国記念日の式典に米大統領として初めて出席するそうです
インド関連の記事
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「ヘーゲル長官の訪印」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-08-12
「米印関係ランクアップ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-01-1
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「露製ステルス機インドへ輸出」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-01-14