
40年に渡ってONA室長を勤め、「米国防省のヨーダ」とも称される「代わる人材がいない」知性です。
最近では、エアシーバトル構想をゲーツ国防長官に進言し、ルトワック氏に「自滅する中国」(邦訳:奥山真司)の執筆を進めた事で知られていまが、国防省のみならず内外から安全保障関係者がその意見を聞きに訪れるという「伝説」の人物です
19日付Defense-News記事は
●19日時点で、国防省は何もコメントをしていない
●Marshall氏の薫陶を直接受けた人材は、国防省内だけでもBob Work国防副長官、Mike Vickers情報担当国防次官、Jamie Morin経費分析部長等々・・数え切れない。

●しかし多くの安全保障関係者からの懸念を払拭するため、昨年12月ヘーゲル国防長官は「ONAを国防長官と直結する他とは異なる組織として維持する。今回の組織改編は、長期に渡るONA分析の国防省内への影響力をより確実にするものである」と説明している
●ONAの役割は、5月にONAが発表した分析対象項目からも明らかである。そこには「水上と水中における軍事競争」、「将来の精密攻撃能力」、「宇宙での軍事競争」、「核拡散の政治的影響」等が含まれていた
●これらの研究は、数年単位でCSBA、RAND、ハドソン研究所、Booz Hamilton、IHS Internationalとの共同で行われ、10億円以上の契約となっている。
●Andrew Marshall氏の後任として、ONA室長に適当な人物を思い浮かべることが出来る人物はいない。陸軍大佐としてONAで勤務し、現在もONAとともに分析を行うCSBAのKrepinevich理事長は「ONAを存続させ無ければならないが、その為にはネット分析を理解し、何を研究すべきかを独自に影響を受けずに見定めることが出来る人物が必要だ」と述べた

●前出のKrepinevich理事長の言葉を借りれば、「官僚組織内での調整で「角」が取れたような政策案が生まれることを防ぐため、歴代国防長官がONAの様な組織を持てたことは幸いであった。戦略的に考える知的自由を持ち、伝統的な考え方に挑戦する知性を備える人物に率いられた組織」がONAである。
///////////////////////////////////////////
読者の方から、ONAとAndrew Marshall氏の重要性について教えていただきました!
●ONAですが、その効用はなんと行っても、実際にその部屋の中で行われている活動もさることながら、室長のアンディ・マーシャル御大に鍛えられた研究者が、国防政策のディベートで中核を占める戦略家として成長していく点にもあります。「戦略家養成所」としてのONAの目に見えない貢献は計り知れないものがあります。

Air-Sea Battleについて公の場で論じた論文を一番最初に出したのは、彼のところで研究員をしているJan Van Tol氏です。彼の指導のもと、このシンクタンクでは、次世代を担う戦略家たちが国防省を出たり入ったりしながら知見を磨いています。
●あとはGordon Adams 氏

●彼は大学でも教えているので、彼の授業を受けた学生が、どんどん、戦略家の卵となり、議会や議員事務所で予算の専門家となり、と巣立っています。
●この二人は前者は保守的、後者はバリバリのリベラルですが、どちらもマーシャル御大に若かりしころ鍛えられています。お二人とも結構いいトシ(クレピノビッチ60歳台、アダムズ70歳代)ですが、どちらも、たまーにマーシャル御大と話すと、今でもダメだしをされているとか。
●・・・というわけで、ONAが持つ「戦略家養成所」としての価値はプライスレスです
/////////////////////////////////////////////
93歳の方に引き続き仕事をお願いは出来ないでしょう・・・
予算削減の折り、今こそAndrew Marshall氏のような先を見通した政策提言を行える人物が求められているだけに、情報筋の話が正しければ残念です。
ONAの重要性を語る各界の意見
「存亡の危機:国防省Net Assessment室」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-16