
第1部にはケンドール国防次官、3軍のトップ級、BogdanF-35計画室長等が出席し、発言内容は13日に行われた「F-35関係者大集合会議」とほぼ同様です。13日の会議の模様は、こちらの過去記事をご確認を
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-06-14
一方で第2部には、米会計検査院のSullivan氏、国防省の評価試験室長Gilmore氏、そしてブルッキングスのオハンロン氏が出席した模様です
本日は、13日の会議の模様でお伝えした以外の事項を取り上げてご紹介です
第1部で国防省関係者は・・・

●同時に同次官は、F-35は私が知る限り開発と生産同時進行を最も行っているプロジェクトである。飛行試験の4割を終えたに過ぎない機体であり、何か問題が発生すれば修正を迫られる状態にあることは確かだとも述べた

●問題のソフト開発について同室長は、海兵隊と米空軍が使用してとりあえず運用開始するblocks 2Bと、海外向けの3Iにはそれなりの自信があるが、完全版の3Fについては2017年末の完成に十分な確証はないと語った(なお日本は、ミサイルが撃てないなど要求性能を満たさない3I を押しつけられるだけでなく、当初要求の3Fに更新する際の経費についても負担させられる可能性がある)
第2部で懐疑派トリオは・・・


●会計検査院のMichael Sullivan氏は、国防省は今後24年間にわたり、毎年1.2兆円をF-35の開発と調達に当てる見積もりをしているが、この財政状況で実行可能性のある計画なのか。議会は実行可能性についてよく考えるべきである
●また、現在交渉中と聞いたロット6と7の契約が成立すれば、開発試験が半分も終了していない機体を150機も調達することになる。それも開発生産同時進行方式が持つ大きなリスクをしょったままで。
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先日もお伝えしたように、ケンドール次官は本年後半に計画全体のレビューを行い、生産レートを上方修正する可能性を示唆し、「At this point, I am cautiously optimistic」と語っています。
もう一度言わせていただくと、「厳しさや厳格さ」が不十分な飛行試験がまだ序の口の進行具合4割の段階にあること、仮に米国用価格が落ち着いても、開発計画に関与していない日本がどれほどの価格で入手できるかは全く不明な事、不完全ソフトの機体を押しつけられる等、機種選定の前提など吹き飛んでいること、更に国内組み立て方式により大幅に価格が上昇すること、価格上昇で「細く長く」の調達になり更に価格が上昇すること・・・等々から、ますます「亡国のF-35」の名に相応しくなってきました。

上記は主に19日付Defense-Newsからご紹介しました。
米国防省webサイトは当然第1部しか紹介せず、「Joint Strike Fighter on Track, Costs Coming Down」とのタイトルで自画自賛ムードです
→http://www.defense.gov/news/newsarticle.aspx?id=120327
25日付Defense-Techは「懐疑派」の意見を紹介
→http://defensetech.org/2013/06/25/f-35-still-faces-considerable-risks-auditors/
防研60周年記念の討論会で大御所ルトワック氏は
●平時において「軍事のイノベーション」が起こることはほとんどない。一方で「イノベーション」がなくても、兵器装備の開発生産は停滞せず、漸進的なアップグレードを伴う変化を軍は続ける。タイプライターの改良がワープロ開発に繋がらないように
●しかし斬新的変化では、兵器は複雑で大きく重くなり性能は向上するが、価格はそれ以上に高騰する。
●主要装備品の開発は、単価が高騰するため1つしか実行できず、たとえ進捗がよくなくても「too big to fail:大き過ぎて潰せない」状態になってしまう。
●このような漸進的変化では、今後軍を維持することは難しい。F-35は顕著な例である。この傾向はやがて破たんを招く
→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-10-31-1