
今回のアジア歴訪は、昨年10月に米国内事情でAPEC首脳会議や東アジアサミットをドタキャンした穴埋め行脚のはずですが、中国融和姿勢が目立ち、「アジア太平洋リバランス」が一向に進展しない中、受け入れ国側も「様子見」姿勢なのでしょうか・・・
8日、フィリピン大統領の報道官であるColoma氏は、米比関係における最大のトピック「米軍の比国内受け入れ拡大」に関し、オバマ大統領の訪問時に特段の進展は無いと語り、「急がない」とも述べました。
マニラ北部の飛行場を米軍機の展開基盤に・・等の構想
「米空軍のアジア戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04
「比への米軍展開拡大協議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-16
オバマ大統領の訪問前に「協定に合意」を発表し、対中国の包囲網をアピールすると予想していた多くの専門家は、この報道官の発言に驚いたようです
9日付Defense-Newsは・・・

●同報道官は「比政府が重視しているのは、スケジュールや急いで何かを取りまとめることではない」、「我々は、合意の期限ではなく、合意の内容や質にこそ注意を払うべきだと考えている」と語った
●また報道官は、ワシントンで終了したばかりの米比2国間戦略対話について、米比両国が最近の南シナ海での事象について懸念を表明し、当該海域での国際法と航海の自由の尊重の必要性を訴えたと言及した
●そして「戦略対話を通じ、両国が戦略的パートナーシップの原則事項を再確認した」と評価した
比が中国外相の発言に反発

●9日、フィリピン大統領府のHerminio Coloma報道官は中国外相の発言に対し、比もまた自国領土を1インチたりとも譲らず守り抜く権利があると述べた
●更に報道官は、「領土を守ることは全ての国家の権利であり、我々が準拠としている原則である」、「国連海洋法条約のような国際法に基づき、フィリピンは行動する」と付け加えた
●1月27日、中国の海洋治安機関が南シナ海の公海上でフィリピンの漁船を攻撃し、比は中国に抗議していた。中国はこれを否定している。
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比のエリート層の中に、比を一度見捨てた米国への不信感も強いとの話を聞いたこともあります。
でもやはり、米国指導者の姿勢でしょうね・・・鍵は。4月下旬に、日本と韓国のみならず、マレーシアとフィリピンで、オバマ大統領がどのような発言や行動を取るかに注目です。
5月30日からのシャングリラ会合(安倍総理の基調講演が決定!)を前に、今後のアジア太平洋地域を占うイベントです
フィリピン関連の記事
「比大頭領が空軍再建宣言」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-02
「比への米軍展開拡大協議」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-08-16
フィリピン基地使用を構想に
「米空軍のアジア戦略」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-04
シャングリラ・ダイアログのwebサイト
→http://www.iiss.org/en/events/shangri-s-la-s-dialogue