7月28日、中国国防省の楊宇軍(Yang Yujun)報道官は定例の記者会見で、中国とロシアは南シナ海(South China Sea)で9月に合同軍事演習を実施すると発表しました。
同報道官は合同演習について、「中国とロシアの包括的戦略パートナーシップを強化および発展させる」ことと、「海洋の安全保障上の脅威に、両国の海軍が共同で対応する能力を高める」ことが目的だと述べました
演習名は「Joint Sea 2016」で、両国からの参加規模は未発表ながら、中国海軍とロシア海軍艦艇が参加することとなっているようです
発表によれば「演習は海洋と陸上の両方で実施されるが、特定の第3国に対するものではない」と強調しています
昨年の同演習「Joint Sea 2015」は・・・
●昨年の同演習「Joint Sea 2015」はロシアのウラジオストック沖で8月に行われ、両国海軍から20隻以上の艦艇が参加した。
●演習では、対潜水艦作戦、実弾射撃、艦艇防空、着上陸の訓練等が行われた
●2015年はこの他にも、中露海軍は地中海で共同演習を行い、更に中国海軍艦艇2隻が黒海沿岸のロシア海軍基地を訪問している
●中国の報道官は「特定の第3国を対象としたものではない」と会見で語っているが、「Joint Sea 2015」の際、ロシアのSergei Shoigu国防相やロシア首脳は、米国によるアジア太平洋地域での軍事的政治的な関与強化を懸念し、集団的な安全保障システムを強化するためだと語っている
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ロシアは、「敵の敵は味方」との考え方で、米国と敵対している中国と接近しているわけで、それ以上でもそれ以下でもないと思います。
今後も中国が勢力を拡大し、極東ロシアを脅かすようなことになれば、日本や米国との接近を図って中国と対峙することも考えるでしょうし、その過程で北方領土問題が「動く」可能性も高まるのでしょう。
今年に入り、ロシアが北方領土に高性能対艦ミサイル配備を打ち出したことも、対日や対米より、対中の意図が大きいような気がしています
ASEAN首脳会議が南シナ海問題で対中国を打ち出せなかったことを受け、中国としてはロシアの力も借りて強い姿勢を打ち出したかったのでしょう
演習の中身はたいした内容ではなく、現場レベルではそれほど細かな連携を目指しているわけでもないようです。
偶発的な事態を招かないことだけを祈っています。
中露関係を考える記事
「露が北方領土に高性能対艦M配備へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-26
「日本海で中露海軍演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-18-1
「中露海軍が地中海演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-01
「中国が政策変更で西方へ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-15
「露は日露共同演習を目指す」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-09-1
「中露関係は頭打ちで複雑化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-03
同報道官は合同演習について、「中国とロシアの包括的戦略パートナーシップを強化および発展させる」ことと、「海洋の安全保障上の脅威に、両国の海軍が共同で対応する能力を高める」ことが目的だと述べました
演習名は「Joint Sea 2016」で、両国からの参加規模は未発表ながら、中国海軍とロシア海軍艦艇が参加することとなっているようです
発表によれば「演習は海洋と陸上の両方で実施されるが、特定の第3国に対するものではない」と強調しています
昨年の同演習「Joint Sea 2015」は・・・
●昨年の同演習「Joint Sea 2015」はロシアのウラジオストック沖で8月に行われ、両国海軍から20隻以上の艦艇が参加した。
●演習では、対潜水艦作戦、実弾射撃、艦艇防空、着上陸の訓練等が行われた
●2015年はこの他にも、中露海軍は地中海で共同演習を行い、更に中国海軍艦艇2隻が黒海沿岸のロシア海軍基地を訪問している
●中国の報道官は「特定の第3国を対象としたものではない」と会見で語っているが、「Joint Sea 2015」の際、ロシアのSergei Shoigu国防相やロシア首脳は、米国によるアジア太平洋地域での軍事的政治的な関与強化を懸念し、集団的な安全保障システムを強化するためだと語っている
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ロシアは、「敵の敵は味方」との考え方で、米国と敵対している中国と接近しているわけで、それ以上でもそれ以下でもないと思います。
今後も中国が勢力を拡大し、極東ロシアを脅かすようなことになれば、日本や米国との接近を図って中国と対峙することも考えるでしょうし、その過程で北方領土問題が「動く」可能性も高まるのでしょう。
今年に入り、ロシアが北方領土に高性能対艦ミサイル配備を打ち出したことも、対日や対米より、対中の意図が大きいような気がしています
ASEAN首脳会議が南シナ海問題で対中国を打ち出せなかったことを受け、中国としてはロシアの力も借りて強い姿勢を打ち出したかったのでしょう
演習の中身はたいした内容ではなく、現場レベルではそれほど細かな連携を目指しているわけでもないようです。
偶発的な事態を招かないことだけを祈っています。
中露関係を考える記事
「露が北方領土に高性能対艦M配備へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-26
「日本海で中露海軍演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-18-1
「中露海軍が地中海演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-01
「中国が政策変更で西方へ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-15
「露は日露共同演習を目指す」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-07-09-1
「中露関係は頭打ちで複雑化」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-03