
ボーイング社の報道官は、交渉中のことでありコメントできないとしているようですが、過去にも金銭でなく「物納」や「役務納入」があったようですのでご紹介します。
体面や組織の体裁ではなく、「実」を採る事態収拾の手法として面白いなぁ・・・と感じた次第です。もちろん、納期遅延がないのが一番ですが・・・
15日付米空軍協会web記事によれば

●KC-135は、KC-46の遅れによりより長期間の運用が予期されており、これに伴う関連の維持整備経費や部品代をボーイング社が無料で行う事が想定されている
●ボーイング社の報道官は交渉中である事から細部に言及しなかったが、遅延ペナルティーの一環として、空中給油機関連以外のボーイング社の製品であるJDAMやF-15などにも範囲が広がる可能性を否定しなかった
●似たようなケースでは、2年前、ボーイングとGeneral Dynamics社が「A-12」を巡る訴訟で、金銭ではなく、米海軍に対し3機のEA-18GやDDG-1002を格安に提供する事で和解したケースがある
米空軍参謀総長は「がっかり」と

●遅延を引き起こしている給油ブームへの過剰荷重の問題は、対処可能で有り、どのように対処すべきかも判っているとも語った
●ボーイング社に何らかの補償を求めるかの質問に対して同参謀総長は、「それは当然で、細部についてボーイング社と協議することになる」と語り、「どのような方向に向かうかは承知していない」と説明した
●いずれにしてもKC-46全体の設計には問題は無く、素晴らしい航空機である事を証明してくれるだろうと表現した
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更に、既に組み立てが完了して試験フェーズにある機体に関しては、そのままでは使用できない可能性も考えられます。
つまり、対処が可能でも、とてつもなく時間と手間が必要な「対処」が必要な可能性もありましょう・・・。
KC-46関連の記事
「納期守れないと認める」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-06-01
「Boom強度に問題発覚」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-04-03
「KC-46は更に遅延?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-03-27
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「初飛行試験に成功」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-11-18
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