
最近、色々なところで米軍が対ISILに優先で取り組む姿勢が明らかになりつつあるような気がします。
次期空軍参謀総長の人選でIS対処を国防長官が重視しているとの報道、ライス大統領補佐官の対IS一色の空軍士官学校講演、つい先日の米国防長官のGCC湾岸協力機構の会議出席など・・・気になるところです
戦力の増強について

●また今週、デンマーク議会がデンマーク軍の派遣拡大に合意し、7機のF-16や特殊部隊を派遣することになった。同国はこれまでも攻撃機や防空レーダーやイラク軍訓練で貢献していたが、これに追加する貢献だとカーター国防長官は讃えている
●米中央軍空軍司令官のCharles Brown空軍中将は、これらの戦力増強により、イラク軍がモスルなど主要都市での対IS攻勢をするタイミングで、わが戦力をピークにすることが出来ると語っている
18日、B-52が初出撃
●4月に入り、B-1爆撃機の交代として中央軍エリアに展開したB-52が、18日対ISIL初攻撃を行い、ISの兵器施設を攻撃した
●B-52は戦略爆撃から地上部隊支援攻撃まで、多様な任務を多様な兵器で遂行できるが、同報道官はどのような兵器を初攻撃に用いたかについては言及しなかった
困難な任務遂行判断の権限を委任

●今後とも、民間人の被害極限のための厳格な事前審査基準を変更することはなく、引き続き極めて慎重に目標情報を精査し、使用兵器を選定するなどして周辺への被害を極限することには一切変化はない
●今回の権限委任は、根本の姿勢を変えることなく、我々をより迅速に、より機敏にするものである
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B-52の投入がB-1との交代であるように、「大増強」ではないにしても、戦力を一つの「ピーク」にしようとしていることは間違いないようです。
また「権限委任」により、判断を早く機敏に行い、最大限の効果を狙っているようです
対ISがひとつの「ピーク」を迎え、欧州でのロシアの活動に変化が見えない(露軍用機による米軍航空機や艦艇への威嚇行動)状態では、「アジア太平洋リバランス戦線異状なし」状態が続くのでしょう。

6月3~5日のシャングリラ・ダイアログで、米国は何をどう訴えるのでしょうか? ここ数年の連続注目点ですが、注目度が毎年低下しているような気もします
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