
しかし、KF-Xの4つの中核部位について米国が技術提供を拒否し、15日に韓国大統領がカーター国防長官を訪問して再度要請しましたが、ここでも「あっさりキッパリ拒絶」され、KF-X計画は「糸の切れた凧」状態になっています。

またKF-Xエンジンの選定も既に提案要求書RFPが発出され、11月4日が提案締切りになっているようで、来年2月に結果発表が予定されているようです
25日付Defense-News記事で高みの見物
●10月20日~25日にソウル近郊で開催された航空宇宙所ショー&展示会で、米国から最新のAESAレーダー技術の提供を拒否された韓国に対し、欧州を中心とした軍需産業が同種レーダーの売り込みを盛んに行った

●ただし、この「two-track approach」が米国の技術提供拒否に関する国民の怒りを和らげるための策であることは明らかである。韓国国防省はまた、AESAレーダーの独自研究を2006年から開始しており、技術の蓄積があるとも主張している
●Defense-Newsは、Saab、Finmeccanica(英伊企業グループ)、イスラエルIAI、Northrop Grummanが韓国国防省に対し、売り込みを行った様子を確認した
●Saabの電子機器分野の営業責任者は、「既に基礎となるレーダーとアンテナ試験を実施済みで、韓国側の機体が準備出来れば、機体との適合段階に進むことが出来る」、「契約がまとまれば、2年で最初のシステムを提供可能」との姿勢を示した

●イスラエルのIAIは、韓国の軽攻撃機FA-50に「EL/M-2032 pulse Doppler radar」を提供した実績があり、今回KF-Xには「EL/M-2052 AESA」を提案している。同社は、同レーダーが独自技術で製造されており、韓国が気にする輸出規制の心配がない点を主張している
●米国企業は欧州企業に比べ慎重な姿勢である。例えばレイセオンは、「言えるのは、我が社にはKF-Xレーダーに協力するに必要なライセンスを保持していない事である」と述べるに止まった
●Northrop Grummanはやや前向きで、担当副社長は「非常に興味を持っている。韓国との協力の歴史も長く、長期的視点で考えていきたい」と述べている
KF-Xエンジン選定は既に開始

●欧州側は「EJ200 engine」が最新で性能等が証明済みのエンジンで、維持整備性が優れていることを強調している。また韓国が同エンジンを搭載した機体を輸出する事になっても、何ら問題なく、米国の輸出規制を心配する必要がない点も強調している
●米GE社は、FA-18で実績のある「F414 engine」を提案し、またこれまでの韓国T-50共同開発におけるエンジンライセンス生産契約や、Saabグリペン共同開発の実績をアピールしている
●GE幹部は「KF-Xは韓国史上最大の兵器開発計画であり、技術、コスト、ライフサイクルコスト等の面で低リスクが求められる。我が社のこれまでの多様な国際協力実績から、低リスクに貢献出来る」と訴えている
////////////////////////////////////////////////////////////

韓国側は、AESAレーダーに関し「two-track approach」とか強気の姿勢ですが、それが可能ならパク・クネ大統領が米国防長官に頭を下げる必要などなかったわけで、韓国内の混乱ぶりが想像出来ます
脅威の変化が叫ばれ、経済情勢も不透明さが増すこのタイミングで、「韓国史上最大の兵器開発計画」ですか・・・。ご愁傷様と申し上げるしかないのですが、「亡国のF-35」と並び、「亡国のKF-X」にならないことを「生暖かく」見守りたいと思います
韓国KF-X関連の記事
「米が技術提供拒否で大混乱」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-28
「KF-X計画公式発表」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-01-1
「韓国F-35とKF-X」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-25
「韓国KF-Xは2個エンジン」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-07-22
「F-35がらみでKF-X支援要求」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-31
「F-35に最終決定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-22-1
「急転直下:F-35を選定か?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-10-19