
これに対しロシア側は5日、悪天候を回避するための飛行であったとか、何らかの企みがあったわけでは無いとか、再発防止に必要な措置を執ると一応弁解しています
また未確認ながら、トルコ軍機とロシア軍機らしいMig-29が国境付近で近接したとの情報も有り、怪しげで危険な雰囲気が漂い始めています
5日付NATO声明によれば

●ロシア空軍のSU-30戦闘爆撃機とSU-24攻撃機が、トルコ領空を10月3日と4日に連続して領空侵犯した件は、より危険な行為である。
●問題のロシア軍機は、トルコ側が時間的余裕を確保しつつ前もってタイムリーな領空侵犯防止の助言や警告を露軍機に与えていたのも拘わらず、領空を侵犯している。
●トルコ軍要撃機(2機のF-16)はNATO手順に従い、侵入者に接近して識別を行い、その後ロシア軍機は領空外に去っている
●NATOはロシア軍機の危険きわまりない行為に強く抗議し、この様な行為の中止を求め、同事案の説明を要求するとともに、再発防止措置を求める。
●NATOはトルコと一体となって事態に対応し、今後の動向を注視する
5日付Defense-News記事は露側の主張を
●5日、ロシア国防省は領空侵犯事案に関し、再発防止に務めると声明を発し、「悪天候のため事案は発生した」、「背景に何ら怪しい企ては無い」と釈明した。またロシア国防省は、4日に在トルコ露大使館を通じ、必要な説明を行ったと主張している

●一方トルコ軍は、4日、トルコ空軍のジェット機2機が、シリア国境付近で国籍等不明のMig-29戦闘機に威嚇を受けたと訴えた
●本件に関しロシア国防省は、本件には何ら関係ないと述べ、「そのタイプの航空機はHmeimim航空基地にはない」と答えた
●ケリー米国務長官は、露軍機の領空侵犯行為を「事態のエスカレーションに繋がりかねない危険な行為である」と非難した
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もちろん事実の所在や詳細は不明ですが、事前の訓練も不十分まま、プーチンの独断で急遽シリア派遣を命ぜられた地理に不慣れなロシア軍パイロットが、雲等の経験したことの無い気象条件に混乱し、トルコに侵入した可能性が考えられます

いずれにしても、「本当に危険な火遊び」の露軍シリア派遣です
現場は危ういロシア空軍
「ロシア空軍事故多発」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-06-13
ロシア軍のシリア展開作戦
「露空軍空爆開始」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-30-1
「シリアは地政学チェルノブイリ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-23
「対ISに暗雲:露軍展開とシリア兵訓練頓挫」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-21
「イラン核合意で中露が中東で好き放題へ」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-09-08