8月24日、James米空軍長官は定例会見で、米空軍3大優先事業の一つである次期空中給油機KC-46Aに関し、開発中のトラブルで初飛行等が遅延している件に触れ、2017年8月に18機納入の契約が守られるのかどうか再確認していると語りました
製造するボーイング社報道官は「契約にコミットしているし、米空軍とは日々意思疎通を図っている」と25日にも語っていますが、米空軍が疑う深くなるにはそれなりも背景もあるようです
8月25日付Defense-News記事によれば
●ボーイング社は、KC-46Aの燃料システム開発や機内配線のトラブル対処で、既に1000億円の経費超過分を負担(同機の開発は経費固定契約のため、超過分は企業負担になる)しており、既に何度も初飛行を延期している
●企業側は、現時点で初飛行の時期を8月末から9月初めとしているが、既に当初計画から1年遅れている。最も最近のトラブルは、燃料系統に誤った化学薬品を流入させてしまったことによるもので、1月の送れに繋がっている。
●24日、James空軍長官は会見で「我々の計画通り進むのかどうかの見通しをはっきりさせるため、スケジュールをも一度再確認しているところである」、「現時点で、当初含んでいた余裕時間はほとんど使い果たした」と語っている
●初飛行のスケジュールは、後の全ての開発計画に影響し、またボーイングは初飛行で燃料系統のトラブルが解消したことを米空軍に示す必要がある。そうでないと、来年1月から4月の間に、米空軍から計画承認を得られなくなる
●開発が遅れた場合の「作戦運用現場への影響を見極める必要がある」ともJames空軍長官は懸念を示している。(空中給油機全体の)戦力構成上、如何なる課題を抱えることになるかを早急に精査する必要があるとも語った
●空軍長官はまた、米空軍がコスト超過の心配をする必要がない点は良いニュースだ、と付け加えた
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「米空軍がコスト超過の心配をする必要がない点は良いニュースだ」とは、固定経費契約であることを強調するためですが、ボーイングが泣き寝入りするはずはなく、他国が購入する際にこっそり巧妙に価格を盛るのでしょう。
ついこの間までは、「価格固定契約の優等生開発プログラム」だったのに・・・ブルータスおまえもか・・・と嘆きたい心境です。
現時点では、KC-46Aを購入する国は米空軍以外にありませんが、日本は様々なしがらみや制約から、KC-46Aにせざるを得ないとご指摘の方も居られ、そうなった場合の心配をしなくてはならないでしょう。
米空軍の最優先事業:空中給油機KC-46A
「固定契約予算を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21
「韓国は欧州製A330を選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-01
製造するボーイング社報道官は「契約にコミットしているし、米空軍とは日々意思疎通を図っている」と25日にも語っていますが、米空軍が疑う深くなるにはそれなりも背景もあるようです
8月25日付Defense-News記事によれば
●ボーイング社は、KC-46Aの燃料システム開発や機内配線のトラブル対処で、既に1000億円の経費超過分を負担(同機の開発は経費固定契約のため、超過分は企業負担になる)しており、既に何度も初飛行を延期している
●企業側は、現時点で初飛行の時期を8月末から9月初めとしているが、既に当初計画から1年遅れている。最も最近のトラブルは、燃料系統に誤った化学薬品を流入させてしまったことによるもので、1月の送れに繋がっている。
●24日、James空軍長官は会見で「我々の計画通り進むのかどうかの見通しをはっきりさせるため、スケジュールをも一度再確認しているところである」、「現時点で、当初含んでいた余裕時間はほとんど使い果たした」と語っている
●初飛行のスケジュールは、後の全ての開発計画に影響し、またボーイングは初飛行で燃料系統のトラブルが解消したことを米空軍に示す必要がある。そうでないと、来年1月から4月の間に、米空軍から計画承認を得られなくなる
●開発が遅れた場合の「作戦運用現場への影響を見極める必要がある」ともJames空軍長官は懸念を示している。(空中給油機全体の)戦力構成上、如何なる課題を抱えることになるかを早急に精査する必要があるとも語った
●空軍長官はまた、米空軍がコスト超過の心配をする必要がない点は良いニュースだ、と付け加えた
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「米空軍がコスト超過の心配をする必要がない点は良いニュースだ」とは、固定経費契約であることを強調するためですが、ボーイングが泣き寝入りするはずはなく、他国が購入する際にこっそり巧妙に価格を盛るのでしょう。
ついこの間までは、「価格固定契約の優等生開発プログラム」だったのに・・・ブルータスおまえもか・・・と嘆きたい心境です。
現時点では、KC-46Aを購入する国は米空軍以外にありませんが、日本は様々なしがらみや制約から、KC-46Aにせざるを得ないとご指摘の方も居られ、そうなった場合の心配をしなくてはならないでしょう。
米空軍の最優先事業:空中給油機KC-46A
「固定契約予算を大幅超過」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-21
「韓国は欧州製A330を選定」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-07-01