
関係者共通の問題認識は、各国や各企業がバラバラに無人地上システムUGVを設計・製作しているため、操作装置や操作手法がバラバラで相互運用性が無く、全てのUGVそれぞれを動かすには別々の訓練が必要で非効率である点にあります。
また、福島第一原発の事故で、世界中からUGVを投入して有効に活用できなかった教訓を生かすべきだとの思いも背景にあるようです。
2日付Defense-Tech記事は・・・

●結果としてUGVを受け取った部隊は、それぞれ独自にUGVの使用法や手順や戦術を編み出し、戦闘行動に使用している状態である。また同時に、厳しい予算環境下、より戦略的にUGVの必要性や用途を絞って送り出す必要にも迫られている
●陸軍と海兵隊が協力して軍需産業と連携し、異なったアセットに共通性を持たせようとしている。関係者が現状を「相互運用可能な部分が全く無い。我々は他装備の操作装置で、カメラの電源を切ったり入れたりすることさえも全く出来ないのだ」と嘆いている状態である
●この取り組みには、ロッキードやGDやのグラマンといった巨大企業から、iRobot Corporationや QuinetiQ North Americaといった小規模企業まで約60社が関与している。

●また関係者は「より多くの国が参加し、NATOの5.56mm共通弾薬のようなNATO標準を定めることが出来ればよい。補給物資のシステムの共通化と同様に意味あることである」と抱負を語っている。
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国際標準が出来ると、簡単に乗っ取られそうな心配もあるのですが・・・。
福島第一原発の事故を教訓とするならば、是非日本にもこのような取り組みのリーダーとして参加してほしいものです。しかし現実は、少しでも軍事的な要素が関係すると、100mくらい腰が引けてしまうのが今の日本です。

原子力全てを「遠ざける」頑な姿勢がオープンな議論や人材の育成を妨げ、事故後の対応までも困難にしているように、軍の関与があるだけで遠ざけていては、世界の流れから落ちこぼれてしまいます。
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