
またこれらの問題は、「Air Dominance 2030」検討の中でも議論されるが、米空軍は検討の「one element」に過ぎないとも表現しています
F-22は2060年まで飛行

●機体当たり年間225時間飛行し、毎年1機損耗する想定では、2059年半ばに最後の機体が退役することになる
●2053年には2個飛行隊程度にまで機数が減少することになるので、それ以前に飛行時間等を抑制し、維持費や機体管理全体計画を精査することになろう
●後継機が必要な時期は明確にしていない。「Air Dominance 2030」検討の中で、2030年以降の制空のあり方が見いだされるだろう
LaPlante調達担当次官は
●少し前には考えもしなかった要因を含めて検討する必要に迫られたり、今日の戦いは極めて複雑な環境下で行われる。従って、将来の制空を1種類の新たな航空機で考えようとするのは、あまりに単純な発想だ

●単に機動性で敵を上回るのではなく、今や制空には宇宙やサイバーや電子戦を含めて考える必要がある。しかし、ステルスが支配する時代は終わったとの議論には組みしない。
●ステルスが活用できるのなら活用すべきであり、ステルスは助けてくれる。ステルスを発展させられるならそうすべきだし、諦めるべきではない
●しかし同時に、サイバーや電子戦分野との関わりが極めて重要になりつつあり、それらも含めて考えねばならない。相手は馬鹿ではない。相手も同様に考えているのだ
「Air Dominance 2030」検討について

●米国防省は同検討の結論を何時出すのか明確にしていないが、何が求められるかを描き出してくれるだろう
●F-22は2050年までは運用でき、後継機の検討がそれほど差し迫った課題ではないが、今から検討しておく必要がある何かがあるだろう
●プレスや軍需産業界の人々は、「次はどんな飛行機だ?」と議論したがるが、あえて意識して言っておきたい。「そういう問題ではないんだ」と。
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記者もメディアも軍需産業も、考え方を変えていかないと・・・。「心神」なんて口にしている日本の「戦闘機命派」にも聞かせたい話です
「米空軍は検討のone elementに過ぎない」、「kill chain全体をどうするか」、「将来の制空を1種類の新たな航空機で考えようとするのは、あまりに単純な発想」、「サイバーや電子戦分野との関わりが極めて重要に」、「相手は馬鹿ではない」・・・等々の表現をしみじみと噛み締め、「次はどんな飛行機だ?」との単細胞発想から脱却したいものです
制空を考える記事
「海空共同で次期戦闘機検討へ」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-30
「Air Dominance 2030検討」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-09
「将来制空機は大型機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-15-2
「女性将軍が次世代制空を語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-02-23
「海長官:F-35は最後の有人戦闘機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-04-17
「悲劇:F-3国産開発報道」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-03-18
「戦闘機の呪縛から脱せよ」→http://crusade.blog.so-net.ne.jp/2013-04-16
ステルスの将来を考える記事
「E-2Dはステルス機が見える?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-06-12
「ステルスVS電子戦機」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-22