アジア最大の安保イベント、シャングリラ・ダイアログ開催!
今年は5月29日(金)夕刻から5月31日(日)の間、いつものシンガポール「シャングリラホテル」で開催されます
今年のシャングリラ会合webサイトは、日本の安倍首相(昨年基調講演:今年は不参加)や海上保安庁の巡視艇の写真で溢れており、日本の国防に関する最近の積極的姿勢が大きな注目を浴びている様子が窺えます
なお今年の中国からの参加者は、PLA副参謀総長Sun Jianguo海軍大将(孙建国:国際問題担当)で、国防相クラスの参加はありません。2013年から同じレベルで参加です。
ちなみに今回は、河野統合幕僚長が制服組として初めてパネル討議に参加予定で、注目です
IISSシャングリラ会合webサイト
→http://www.iiss.org/en/events/shangri-s-la-s-dialogue
会議の概要と進行
●本会議は、英国の民間研究機関IISSが主催する非公式の会議ですが、アジア太平洋のほぼ全てと、欧州主要国の国防大臣が一堂に会する点で、「アジア最大の安全保障イベント」とも言えます
●注目の的であるカーター米国防長官は、一人で一つのセッションを担当しますが、他国の大臣は複数で登壇し、パネル討論のような形式になります。また、複数のセッションが同時並行で行われる時間帯も設けられています
●討議やパネル討議には、アジアの安全保障に関する複数のテーマが設定されており、講演やパネル討議で登壇した国防大臣等には、会場に詰めかけたマスコミや一般参加者から多数の質問が投げかけられます。
●特に、中国軍人が米国防大臣にかなり「辛辣」な質問を投げかけることもあり、民間主催の会議ならではの「歯に衣着せない」質問が飛びます
●会議の期間中、バイの会談も複数セットされます。2014年には日米韓の3ヶ国国防相会議が設定されました。今年は30日に日韓国防相会談(4年ぶり!)が設定済み。日米や米韓会談も行われると思います
●このようにシャングリラ会合は、民間研究機関主催とは言え、今やアジアの安全保障状況を反映する大きなイベントとなっています。ちなみに中東では、同じIISS主催の「マナマ会合」が毎年バーレーンで開催されています
日程の概要
●29日は夕食会とシンガポール首相の基調講演
●実質の会議は、カーター国防長官による30日朝9時(現地時間)からの講演でスタートし、その直後の3カ国大臣パネル討議(アジアにおける新たな国防協力)に中谷防衛大臣が、インド及びインドネシア国防相と共に登壇
●30日の午後3時からは、河野統合幕僚長が制服組として初めて登壇し、部門別のパネル討議(インド・太平洋地域のエネルギー安保の課題)に、豪州外交通商大臣や石油会社幹部やIISS研究者と共に参加
●中国のJianguo副参謀総長は、31日朝9時からのパネル討議(アジア太平洋地域の地域秩序強化)に、NZとドイツ国防相と共に登壇予定
今年の注目点
●なんと言っても、カーター国防長官が「名ばかり太平洋リバランス」と揶揄されるアジア太平洋政策を、どのようにアピールするかが注目されます。個人的には、米国の施策に併せて言及されるであろう「同盟国等への期待」や「役割分担」に関する発言が気になります
●新しい政策が打ち出されるとは思いませんが、中国に対しては少しは強い表現が出るかもしれません。最近良く聞かれる「TPPが重要だ」的な発言がメインにならないことを祈るばかりです。
●最近の日本の取り組みを、各国の国防大臣や専門家がどのように評価するかも注目です。中国や韓国以外から、日本を警戒する発言が出るとは思いませんが、IISSの司会者やスポンサー企業(朝日新聞)や会場内から「誘導質問」があるかも知れません
●日本を警戒する発言が出た場合、日本のプレスが大々的に報じると思いますのでご心配なく・・・
スポンサーから中華系企業撤退
●会議主催者であるIISSのチップマン所長は、研究者と言うよりは「商売人」としての「がめつさ」で有名。シャングリラ会合のミニ版を東アジアで開催しようと、日本をはじめ各国に打診し、お金を出させてIISSが儲けようと画策しているとか
●スポンサー企業は、昨年の10社から中華系のメディア資本2社(鳳凰網とフェニックスTV)が撤退して8社に。ちなみに、鳳凰網は全世界の華人のためのポータルサイトでした
●なお、日本からは継続して三菱商事と朝日新聞社がスポンサーになっています。恐らくスポンサー特権でしょうが、朝日新聞の加藤洋一記者は、米国防長官への質問者に毎年指名されています。
今後、可能な範囲で少しづつ、このページに追記していきます
いきなりの暑さで、気力が萎えていますが・・・
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追記第1弾!
序章:カーター長官が中国に強い言葉を
ハワイ時間で27日、第14回アジア安全保障会議のためシンガポールに向かう途中、ハワイでの太平洋軍司令官の交代式に出席したカーター国防長官は、「out of step:歩調を乱す; 調和しない」との言葉を用い、南シナ海で埋め立て基地を急拡大中の中国を牽制しました。
27日付defense-Newsは、「カーター長官が就任後の3ヶ月間の中で恐らく最も強い表現だ」と報じています
カーター長官の「事前に準備された」挨拶文より
●中国は、国際規範と地域のコンセンサスを乱している(調和しない)。それは、アジア太平洋の規範でもある国際規範であり、本件や他の長年の係争案件に対し非抑圧的なアプローチを望むいう地域のコンセンサスである
(China is out of step with both international norms that underscore the Asia-Pacific's security architecture, and the regional consensus in favor of non-coercive approaches to this and other long-standing disputes," Carter said, later adding that the US "will remain the principal security power in the Asia-Pacific for decades to come.)
新しい太平洋軍司令官ハリス大将関連
「ハリス大将が上院で語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-04
「次期PACOM司令官はP-3搭乗員」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-2
IISSシャングリラ会合webサイト
→http://www.iiss.org/en/events/shangri-s-la-s-dialogue
ちなみに過去のシャングリラ会合記事は・・
「2014年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27
「2013年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-31
「2012年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-25
「2011年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01
「2010年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05
今年は5月29日(金)夕刻から5月31日(日)の間、いつものシンガポール「シャングリラホテル」で開催されます
今年のシャングリラ会合webサイトは、日本の安倍首相(昨年基調講演:今年は不参加)や海上保安庁の巡視艇の写真で溢れており、日本の国防に関する最近の積極的姿勢が大きな注目を浴びている様子が窺えます
なお今年の中国からの参加者は、PLA副参謀総長Sun Jianguo海軍大将(孙建国:国際問題担当)で、国防相クラスの参加はありません。2013年から同じレベルで参加です。
ちなみに今回は、河野統合幕僚長が制服組として初めてパネル討議に参加予定で、注目です
IISSシャングリラ会合webサイト
→http://www.iiss.org/en/events/shangri-s-la-s-dialogue
会議の概要と進行
●本会議は、英国の民間研究機関IISSが主催する非公式の会議ですが、アジア太平洋のほぼ全てと、欧州主要国の国防大臣が一堂に会する点で、「アジア最大の安全保障イベント」とも言えます
●注目の的であるカーター米国防長官は、一人で一つのセッションを担当しますが、他国の大臣は複数で登壇し、パネル討論のような形式になります。また、複数のセッションが同時並行で行われる時間帯も設けられています
●討議やパネル討議には、アジアの安全保障に関する複数のテーマが設定されており、講演やパネル討議で登壇した国防大臣等には、会場に詰めかけたマスコミや一般参加者から多数の質問が投げかけられます。
●特に、中国軍人が米国防大臣にかなり「辛辣」な質問を投げかけることもあり、民間主催の会議ならではの「歯に衣着せない」質問が飛びます
●会議の期間中、バイの会談も複数セットされます。2014年には日米韓の3ヶ国国防相会議が設定されました。今年は30日に日韓国防相会談(4年ぶり!)が設定済み。日米や米韓会談も行われると思います
●このようにシャングリラ会合は、民間研究機関主催とは言え、今やアジアの安全保障状況を反映する大きなイベントとなっています。ちなみに中東では、同じIISS主催の「マナマ会合」が毎年バーレーンで開催されています
日程の概要
●29日は夕食会とシンガポール首相の基調講演
●実質の会議は、カーター国防長官による30日朝9時(現地時間)からの講演でスタートし、その直後の3カ国大臣パネル討議(アジアにおける新たな国防協力)に中谷防衛大臣が、インド及びインドネシア国防相と共に登壇
●30日の午後3時からは、河野統合幕僚長が制服組として初めて登壇し、部門別のパネル討議(インド・太平洋地域のエネルギー安保の課題)に、豪州外交通商大臣や石油会社幹部やIISS研究者と共に参加
●中国のJianguo副参謀総長は、31日朝9時からのパネル討議(アジア太平洋地域の地域秩序強化)に、NZとドイツ国防相と共に登壇予定
今年の注目点
●なんと言っても、カーター国防長官が「名ばかり太平洋リバランス」と揶揄されるアジア太平洋政策を、どのようにアピールするかが注目されます。個人的には、米国の施策に併せて言及されるであろう「同盟国等への期待」や「役割分担」に関する発言が気になります
●新しい政策が打ち出されるとは思いませんが、中国に対しては少しは強い表現が出るかもしれません。最近良く聞かれる「TPPが重要だ」的な発言がメインにならないことを祈るばかりです。
●最近の日本の取り組みを、各国の国防大臣や専門家がどのように評価するかも注目です。中国や韓国以外から、日本を警戒する発言が出るとは思いませんが、IISSの司会者やスポンサー企業(朝日新聞)や会場内から「誘導質問」があるかも知れません
●日本を警戒する発言が出た場合、日本のプレスが大々的に報じると思いますのでご心配なく・・・
スポンサーから中華系企業撤退
●会議主催者であるIISSのチップマン所長は、研究者と言うよりは「商売人」としての「がめつさ」で有名。シャングリラ会合のミニ版を東アジアで開催しようと、日本をはじめ各国に打診し、お金を出させてIISSが儲けようと画策しているとか
●スポンサー企業は、昨年の10社から中華系のメディア資本2社(鳳凰網とフェニックスTV)が撤退して8社に。ちなみに、鳳凰網は全世界の華人のためのポータルサイトでした
●なお、日本からは継続して三菱商事と朝日新聞社がスポンサーになっています。恐らくスポンサー特権でしょうが、朝日新聞の加藤洋一記者は、米国防長官への質問者に毎年指名されています。
今後、可能な範囲で少しづつ、このページに追記していきます
いきなりの暑さで、気力が萎えていますが・・・
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追記第1弾!
序章:カーター長官が中国に強い言葉を
ハワイ時間で27日、第14回アジア安全保障会議のためシンガポールに向かう途中、ハワイでの太平洋軍司令官の交代式に出席したカーター国防長官は、「out of step:歩調を乱す; 調和しない」との言葉を用い、南シナ海で埋め立て基地を急拡大中の中国を牽制しました。
27日付defense-Newsは、「カーター長官が就任後の3ヶ月間の中で恐らく最も強い表現だ」と報じています
カーター長官の「事前に準備された」挨拶文より
●中国は、国際規範と地域のコンセンサスを乱している(調和しない)。それは、アジア太平洋の規範でもある国際規範であり、本件や他の長年の係争案件に対し非抑圧的なアプローチを望むいう地域のコンセンサスである
(China is out of step with both international norms that underscore the Asia-Pacific's security architecture, and the regional consensus in favor of non-coercive approaches to this and other long-standing disputes," Carter said, later adding that the US "will remain the principal security power in the Asia-Pacific for decades to come.)
新しい太平洋軍司令官ハリス大将関連
「ハリス大将が上院で語る」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-12-04
「次期PACOM司令官はP-3搭乗員」 →http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-23-2
IISSシャングリラ会合webサイト
→http://www.iiss.org/en/events/shangri-s-la-s-dialogue
ちなみに過去のシャングリラ会合記事は・・
「2014年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27
「2013年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-31
「2012年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-25
「2011年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01
「2010年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05