
また同中将は、A2ADと言えば中国をイメージするだろうが、ロシアも相当な能力を備えていると警鐘を鳴らし、返す刀で、米陸軍の通信装備は妨害や被害への備えが不十分だと訴えています
細部について言及があるわけではありませんが、貴重な戦訓ですのでご紹介します
1日付DODBuzzによれば

●また、ロシアの支援を受けた新ロシアは勢力はサイバー戦や情報攪乱等のソフトな戦いから、トラック搭載のロケット発射機までを活用した「ハイブリッドな戦い」を行っていると同中将は説明した
●更に戦いの中で、ロシア製の電子妨害装置が米軍や同盟国軍の戦場通信を打ち破る潜在能力を備えている事が明らかになってきた、とも同司令官は述べた
●この電子妨害装置はロシア国営の軍事企業Rostecが製造しているもので、昨年同社は、クリミア半島上空を飛行していた無人機MQ-5B Hunte(独駐留米陸軍第66情報旅団所属)にハッキングを行ったと宣言していた
●一方で米陸軍関係者は、米陸軍がウクライナ軍に提供した迫撃砲弾監視レーダーが予期した以上の効果を発揮し、砲弾発射地点を特定してウクライナ軍を大いに助けていると明らかにしている
●なお米軍はウクライナ軍に対し、約120億円の支援パッケージの一環として、当該レーダーを20セット提供して支援している。

●また司令官は「A2ADと言えば中国を連想し、その強固な防空網などをイメージするだろうが、ロシアはウクライナで相当の電子戦能力を示しており、米軍のネットワーク運用を不可能にするとまでは言わないが、極めて困難な状況に追い込むだろう」と説明した
●そして「ラトビアの港湾都市リガ、ドイツのBremerhaven or Ramstein港に戦力を展開する我々は、ネットワークに大きく依存している」と危機感をあらわにした
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この後Hodges司令官は、米陸軍の戦場ネットワークや通信が脆弱なまま放置されている現状を訴え、2008年の57万人規模から10万人以上の兵員削減が進行中である現状を踏まえ、削減するなら質でカバーしたいと装備の近代化を求める発言を行っています
そして更に、装備の近代化はNATO同盟国にも広がりが必要だと主張しています

いずれにしても、ロシアに好き放題やられている状態ですので、せめてロシア軍の状況把握には力を入れて頂きたいものです