
「武力による問題解決も選択肢の一つ」と、分かりやすい表現で台湾政界の問題に関する中国の本音をちらつかせています。
まずは台湾の選挙結果から復習いたしましょう
前提として「台湾統一地方選挙」について

●国民党主席を兼ねる馬英九総統の指導力の低下が響いた。経済を軸に中国との関係拡大を進めてきた国民党の惨敗で、中台交流に逆風が強まるのは確実だ。
●台湾独立を志向する最大野党の民進党は支持基盤が厚い高雄市、台南市に加え、台中市、桃園市と4つの直轄市で市長ポストを押さえた。総統選の追い風となりそうだ。
●首長選全体の政党別の得票率は民進党が約48%、国民党が約41%だった。
●地方選は全22県市の首長や議員を一斉に選ぶ過去最大の規模だった。首長ポストは国民党が15から6に減らし、民進党は6から13に増やした。

●台湾では北部に外省人(中国大陸出身者とその子孫)、南部に本省人(戦前からの台湾住民とその子孫)が多く住む。北部は国民党、南部は民進党の支持層が厚いとされてきたが、野党系の躍進で勢力図が塗り替わる。
●中国の国務院台湾事務弁公室は29日、「選挙の結果には注意を払っている。両岸(中台)の同胞が関係の発展を進めることを望む」との談話を発表した。具体的な論評はないが、国民党の退潮は中国にとって痛手だ。
12月7日付Defense-News記事によれば

●また更に「中国は力の行使の可能性を排除しないし、必要ならば武力による問題解決も選択肢の一つである」との発言も環球時報は掲載しているが、発言の背景等には言及せず、台湾統一地方選挙の結果を受けた発言とも説明していない
●1997年に中国軍を退役した影響力ある論者であるLiu Jingsong(劉精松)氏は、「誰が台湾の権力を握ろうと、唯一の道は台湾海峡を挟んだ両サイドが平和的な関係を発展させていくことであり、最終的な統一に向かうことだ」とも語っている
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しかし、中国が黙って見ているわけはありません。人民日報の国際版が、このように「間接的な論者」を用いて反撃を開始したように、今後あの手この手で巻き返しがあるのでしょう・・・
日本国内は、衆議院の総選挙ニュースで埋まっていますが、周囲情勢は刻々と動いています
台湾関連の過去記事
「台湾の防空ミサイル投資」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-09-01
「中国空母対処の台湾演習」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-04-26-1
「悲劇:台湾F-16改修はどこへ?」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-03-09
「潜水艦用のハプーン受領」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-01-08-1
「10年不履行:台湾への潜水艦売却」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-01-28
「台湾の巨大な中国監視レーダー」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28