
WSJ電子版に投稿したのはフリーの若手軍事ジャーナリスト2名で、1名は米海軍航空作戦構想をご紹介する際に良く引用しているMajumdar氏で、もう一人はイスラエル人Erik Schechterです
このような組織に縛られない比較的自由な立場からの提言に好感を覚え、取り上げる次第です。技術的な細部はともかく、巡航ミサイルや無人機を高価な有人戦闘機やミサイルで撃ち落とす発想からの転換は、当然議論されるべきです
22日付DODBuzzのWSJ記事紹介によれば

●これに加えて20日付のWSJ紙は、ハマスが飛行させたガザ地区周辺で飛行させた数万円程度の無人機を、イスラエル軍が3億円のミサイルで迎撃したと問題を投げかけている
●コストの問題が1回の発射が数ドルとの見積もりがあるレーザー兵器への投資の増加を正当化しており、イスラエルのRafael社は無人機やロケット弾迎撃用の「Iron Beam」というレーザー迎撃装置を開発している
●レーザーはまた、弾切れがないとの便利さがある。防空システムへの大きな脅威として、安価に市場に出回る無人機で防空組織を飽和させてしまう作戦があるが、数が限定されるミサイルでは対処に限界がある

●大型旅客機にレーザー兵器を搭載して弾道ミサイルを初期段階で迎撃する「Airborne Laser」も、ゲーツ国防長官により2007年に葬られた。
●今ミサイル防衛システムに再び注目が集まっているが、それでも依然として米国は、戦闘機等の攻撃機とその反撃力に頼っているのが実態だ
●しかしWSJ紙の論考の筆者2名は、今こそ米国がレーザーミサイル防衛システムに取りかかる時だと主張している。
●彼らは「無人機や短射程ロケットを迎撃可能な100-kilowatt級のレーザー兵器なら、米国は5年以内に開発可能だろう。またより強力な300-kilowatt級でも10年以内に実用化可能だ」と記している
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最近特段のニュースがないのは、予算の削減で「新参のモノはカット」や「予算削減」の影響を受けているのかもしれません。
フリーの若手軍事ジャーナリスト2名も、業界から「提灯記事」を書いてくれと言われたのかもしれませんが、提案自体は真っ当な正論です。

やはりここは、陸上自衛隊を数万人削減し、研究開発費と装備化予算と人員を捻出し、レーザー兵器を重要な基盤基地に一括装備する位の取り組みが必要です
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→http://online.wsj.com/articles/erik-schechter-and-dave-majumdar-lasers-are-no-longer-a-star-wars-fantasy-1405892997
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