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米海軍が製造可能数よりF-35C調達数を抑え優先事業へ予算

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FA-18の延命措置等で必要艦載機数は確保可能と判断
海軍海兵隊全体の優先順位を踏まえF-35調達予算削減
当初は製造ペースが上がらない為としていたが今では・・・

F-35C Carl.jpg6月28日付Defense-Newsは、米海軍が今後5年間は毎年20機調達予定だとしてきたF-35C型機を、2023年度予算では9機しか調達せず(2022年度は15機)、その理由として当初はコロナ禍のサプライチェーン混乱による製造&調達リスクを上げていたのに、最近になってFA-18と合わせた艦載機数の確保に目途が立ちつつあり、他の優先事項に予算を投入したいためと説明ぶりが変化している、と指摘しています。

同記事は様々な関係者の話を細切れに紹介して読みにくいものとなっていますが、まんぐーすは、従来から開発が遅延するF-35導入を米軍内で最も後回しにしていた米海軍が、維持整備費高止まりのF-35調達をさらに遅らせ、最終的に総調達数(260機:現在50機程度か)削減につなげようとする動きの一つと邪推しております

FA-18 block Ⅲ2.jpg結論として、米海軍がF-35C調達ペースを大幅にダウンすることができるのは、FA-18の機体寿命を4000時間も伸ばす「Super Hornet Service Life Modification (SLM)」改修に必要な時間を、現在の18か月間から2023年までには15か月に短縮し、最終的に2024年には12か月にまで短縮して、運用可能なFA-18機数を、これまでの341機から360機に上方修正できる目途が立ったことが大きいと米海軍首脳が明らかにしています

この結果、これまで米海軍艦載機の不足状態解消に2030年までかかると見積もっていたところ、この問題を2025年には解消可能になったため、F-35C調達ペースを下げ、その分の予算を他の優先分野に配分できるようになったと米海軍は説明しています

F-35C.jpg記事執筆者は、この春の2023年度予算案を議会提出した際から5月中旬まで、海軍長官や米海軍作戦部長は複数の議会説明で、F-35要求数を9機に削減した理由は、コロナの影響でサプライチェーンに課題が残っているからと説明していたことからの変節を指摘しつつ、最近は米海軍報道官が明確に「ロッキードはコロナ禍改善によりF-35Cを年間30機製造可能になっているが、他の優先事項への投資を選択肢として考えられるようになった」と解説しています
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ロシアによるウクライナ侵略で、様々な米軍装備品調達のグダグダが表面化しなくなっていますが、F-35も、フォード級空母も、KC-46も、次期ICBMも、「日暮れて途遠し」状態だと認識しております

F-35調達機数削減の動き
「米海兵隊も削減示唆」→https://holylandtokyo.com/2022/01/17/2586/
「米空軍2025年に調達上限設定を」→https://holylandtokyo.com/2021/09/09/2184/
「英国は調達機数半減か」→https://holylandtokyo.com/2021/03/31/174/

「民間監視団体がF-35改善なしと」→https://holylandtokyo.com/2022/03/25/2933/
「英国防相がF-35企業に不満をぶちまける」→https://holylandtokyo.com/2021/06/25/1949/
「F-35投資はどぶに金を捨てるようなもの」→https://holylandtokyo.com/2021/03/10/157/

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