
先日の記事では、研究開発担当の女性大将が同サミットでレーザー兵器について、悲観してもいけないが、楽観してもいけないと言った主旨の発言をしたことをご紹介しましたが、本日は米空軍内で現場配備に一番近い具体的計画の現状・状況をご紹介します
実験室では完成している装備だそうですが、なかなか限られたスペースの機体に押し込むのは大変なようで、破壊力も決してSF映画のようには行かないようです。
6月30日付Defense-Tech記事によれば

●当該AC-130は、レーザー兵器を格納するスペースを確保するため既に105mm砲を取り外しており、またレーザー発射機を取り付けるため、風の影響を受けて振動しない翼前方の30mm機関砲の取り付け位置を空けている
●同司令官は、まず攻撃用レーザーから先に着手し、開発リスクの大きい、敵の航空機や地対空ミサイルを撃退する防御用レーザー兵器は後にすると語った。
●そして開発の進捗状況にもよるが、60~120kwのHELを、地上の静止した車両や航空機、携帯電話中継タワーのような通信基盤の攻撃用を想定して推進していると語った
●更に同中将は、同コマンドはレーザー兵器搭載のAC-130作戦運用コンセプトを非公開の形で取りまとめ、国防省内の関係部署がこのレーザー兵器の戦術や技術や使用手順を吟味している
●「戦術核兵器を扱うのと同様の注意を払いつつ、レーザー兵器の交戦既定を形にしたものである」と同作戦運用コンセプトの原案について司令官は言及した

●同サミットでMaterielコマンドのPawlikowski大将は、話題が先行がちなレーザー兵器の現状に注意喚起し、特殊作戦コマンドの計画を用心深く支援する姿勢を示し、この様な複雑なシステム開発に猪突猛進することに警戒感を表していた
●CSBAのMark Gunzinger研究員は、適正な資金が確保できれば2020年までにプロトタイプの作成は可能だろうとの見方を示し、既に化学レーザーのデモを行っているAC-130は搭載機種に適当だと考えている。ただし、実験室で完成していても、それを機内に搭載するには多くの記述的課題を克服する必要がある。10年以内に可能かと聞かれればイエスだが、正しく、そして時間をかける必要があるだろう
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恐らく米国の軍事記者の皆様は、先週末あたりからまとまった期間の「独立記念日休暇」を取られたのではないでしょうか? 記事配信の時間差からそんなことを思いました。

まぁ・・・ちびちび進展をフォロー致します。
エネルギー兵器関連
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