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第15回アジア安全保障会議(2016年シャングリラダイアログ)特集

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この記事に随時追記していきます!

2016-shan.jpg5月27日、米国防省は6月3~5日に開催される第15回アジア安全保障会議(Shangri-La Dialogue)カーター国防長官が参加し、4日に講演を行うと発表しました。恐らく現地時間午前9時からの第1セッション「MEETING ASIA’S COMPLEX SECURITY CHALLENGES」になると思われます。

同会議は、英国の民間研究機関IISSが主催する非公式の会議ですが、アジア太平洋のほぼ全てと、欧州主要国の国防大臣が一堂に会する点で、「アジア最大の安全保障イベント」と考えられています。
中国側の参加者はまだ明らかになっていません。しかしここ数年、中国からの参加者は国際問題担当の軍副参謀総長レベル(一応大将ですが)です。

2015 Shangrila.jpgそれでも中国側参加者(副参謀長への随行者クラスが)が、民間主催会議である事もあり、カーター長官の講演に対し辛辣な質問を投げかけるのが通例となっており、今年もそんな流れかも知れません

会議の期間中、バイや3カ国会談も多数セットされます。既に日米国防相会談は発表されていますが、2014年には日米韓の3ヶ国国防相会議が設定され、2015年は4年ぶりの日韓国防相会談が設定され話題になりました。

色々な視点がありますが、豪州の新政権代表も交えた日米豪や日米印の3カ国会議にも期待したいものです。まあ、日米韓もあるかもですが・・・

また昨年は、河野統合幕僚長がセッションに参加し、自衛官として初デビューを果たしました。国際感覚溢れる河野統幕長に今年も期待致しましょう

5月31日にDCを出発してから、アリゾナを訪問した後のカーター長官の予定は明らかになっていません。また、6月8~9日のNATO首脳会議(@ポーランド)までの予定も不明です。例年、この期間を利用し、日本や韓国を訪問する事もありますし、中東に立ち寄ることも多いですので、この辺りも注目です

27日付米国防省発表によれば
2016-shang2.jpgカーター国防長官は、6月4日に第15回Shangri-La Dialogueで講演を行う。同会議に長官は、米海軍トップのRichardson海軍作戦部長と太平洋軍司令官ハリス海軍大将を同行させる
●(3~5日に開催される)会議期間に、複数の2国間国防相会談を予定しており、シンガポール国防相と日本の中谷防衛大臣との会談も含まれている

●シンガポールに向かう途中、5月31日に長官はアリゾナ州のFort Huachuca陸軍基地に立ち寄り、米陸軍のサイバー戦と無人機運用の拠点である部隊や機関を訪問し、状況説明を受ける予定

今年も注目点は同じ
●ここ数年度同様、なんと言っても、カーター国防長官が「名ばかり太平洋リバランス」と揶揄されるアジア太平洋政策を、どのようにアピールするかに注目です。
●しかし最近のカーター長官は、リバランスは軍事だけでなく、外交、経済、文化等々の総合的アプローチで行うもので、特に「TPP」が重要だと盛んに発信しており、軍事面でのアピール「ネタ不足」を懸命に埋めようとしています

2016-shang3.jpg対中国の姿勢も微妙です。安全保障上の課題を5つの視点で語る最近の講演でも、ロシア、北朝鮮、イラン、ISILには具体的言及があるものの、中国との国名を出さず「アジア太平洋地域における歴史的変化」と表現する姿勢を示しています。伊勢志摩サミットの共同宣言で、「中国」と名指ししなかったのと同じです
●5月13日発表の米国防省「中国の軍事力」レポートでも、「長期的な中国軍の軍近代化は・・・新たなフェーズに入った」、「中国はまた、米国との直接的で明確な紛争を避けようとしている」と言及し、中国への見方や姿勢に変化の兆しのようなものを感じないではありません

●ここ数年続いている、「最新の装備をまずアジア太平洋に配備する」とか、「これを配備完了した」とか、各国との関係強化にこれだけ進展があったと列挙とかに加え、「航行の自由作戦」をしっかりやってます発言が予想されます
●目新しいとすれば、対中国や対ロシアが目的だと明言している「Third Offset Strategy」や「ハイテク企業との連携強化」をアピールするかも知れません
更に言えば、トランプ旋風を意識した発言にも注目です。オバマ大統領の最近の発言にもチラホラですが、理論物理学者であるカーター長官からも発言を期待したいものです。

関連の記事
「安全保障5つの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-25
「2016年版:中国の軍事力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15

スポンサーにB-21受注の米NG社が追加
●会議主催者であるIISSのチップマン所長は、研究者と言うよりは「商売人」としての「がめつさ」で有名。シャングリラ会合のミニ版を東アジアで開催しようと、日本をはじめ各国に打診し、お金を出させてIISSが儲けようと画策しているとか
2016-shang.jpg●スポンサー企業は、2014年の10社から中華系のメディア資本2社(鳳凰網とフェニックスTV)が撤退し、2015年には8社に。今年は米空軍の次期爆撃機を受注して活き上がる「Northrop Grumman」が加わり9社体制

●なお、日本からは継続して三菱商事と朝日新聞社がスポンサーになっています。恐らくスポンサー特権でしょうが、朝日新聞の加藤洋一記者は、米国防長官への質問者に毎年指名されています。
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今後、可能な範囲で少しづつ、このページに追記していきます

もう一つ個人的には、本会議のシンボルカラーが、従来の「エンジ」から「濃紺」に変化したことに注目です。文化面でこの色の変化の意味するところは不明ですが理由が気になります

IISSアジア安全保障会議 webサイト
http://www.iiss.org/en/events/shangri-s-la-s-dialogue

関連の記事
「安全保障5つの課題」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-25
「2016年版:中国の軍事力」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2016-05-15

過去のアジア安全保障会議の記事は・・
「2015年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2015-05-28
「2014年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27
「2013年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2013-05-31
「2012年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2012-05-25
「2011年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2011-06-01
「2010年会合」→http://holyland.blog.so-net.ne.jp/2010-06-05

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